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『TPI NEXT 日本語版発刊記念セミナー』に参加してきました

著者:ふじさわゆうき

更新日:2015/12/12

目次

  1. セミナー概要
  2. 個人的感想
  3. TPI NEXTの概要メモ
  4. TPI NEXTの詳細メモ
  5. パネルディスカッションメモ

セミナー概要

hinshitsu-univ.connpass.com

  1. テストプロセス改善であるTPI NEXTについて、薮田さん、湯本さんからのプレゼン
  2. 薮田さん、湯本さん、皆川さんによるパネルディスカッション

という2部構成でした

個人的な感想

  • CMMIとTPI NEXTとの比較が多く面白かったです
  • CMMIの場合は、改善のプロセスが決まっているのに対して、TPI NEXTは、キーエリアとクラスタという概念を使って、改善のプロセスをその組織の目的に合わせて柔軟に優先順位を決めることができるというのが特徴とのことでした
  • また、CMMIの場合は、机上の論理なのに対して、TPI NEXTは、現場から出てきたフレームワークということで実践的であるともいっていました
    • 薮田さんがおっしゃっていたで面白かったのが、16キーエリアという適当な数が良いとのことで、理論的に行こうとすると16なんて中途半端な数にならないとのことです
  • TPI NEXTは、クラスタセットと16キーエリアのチェック項目に沿って改善の優先順位を決め、やるべきことをやることによって結果的にテストプロセス改善を狙った手法であると個人的には理解しました
  • 今回、薮田さん、湯本さん、皆川さんの話をうけて、TPI NEXTがぐっと身近になったと感じています。やはり、本で読んでもわからないことがこういうセミナーにでると一気にわかります
  • TPI NEXTの第一歩は、自分自身をチェックすることから始めてみて、そこからキーエリアの意味を理解することが近道ということなので、とりあえず、この手法を使って、自分自身のテストに対する姿勢で、どの部分が弱点でどう改善していくのか計画をたててみたいと思います

TPI NEXTの概要メモ

  • TPI NEXTとは
    • プロセス評価ではなく、キーエリアで評価することがポイント
    • 現場から生まれてきたフレームワークであって、CMMIと比較して実践的である
    • テストチームと利害関係者(プロジェクマネージャとか)とのやりとりを重視する。テストチームだけで評価してもうまくいかない
    • キーエリアがあって、それを自己評価して、クラスタセットをもとに改善の優先順位をつけて、改善活動を進めるのが大きな流れ
    • 改善計画が長期に渡って、システマティクにできるのがメリット
    • 「戦略と組織」「テスト管理」「テスト技術」という3つをバランス良く改善しようという考え方
    • CMMIと違って、キーエリア+クラスタセットで多角的に現状の組織を評価することができる
  • 薮田さんによると、1970年代から、テスト技術は、あまり変わっていない。だから、TPI next は有効な手段ということ

TPI NEXTの詳細メモ

  • 湯本さんによると仕事しながらも技術をキャッチアップしようという意識を「プロ意識」と翻訳した
  • TPI NEXTのクラスタAは、基本的なことが多いから軽く達成できる。なのでここから始めてみることが大事
  • TPI NEXTによる評価は、なれれば1時間位で実行することが可能
  • テスト戦略について、TPI NEXTはわかり易く解説しているので参考にするとよい
  • 「戦略と組織」「テスト管理」「テスト技術」など細かいことは、TPI NEXTの本を買って読んでくれとのこと
  • クラスタ、カスタマイズできるので、具体例は本を読んでくれとのこと

パネルディスカッションメモ

  1. プロセス改善は楽しい?
    • パネラー4人中3人は「楽しくない」と回答(笑)
    • 開発と現場の方々に嫌われるから辛い。色々と言われる
    • ただし、上司受けは良い
  2. テストプロセス改善のフレームワークでTPI NEXTが一番?
    • CMMI は権力と結びつきが強いが、TPI NEXTは権力との繋がりがないのが良いと、パネラーの意見。TPI NEXTは、現場で鍛えられてきたモデルなので、素敵
    • TPI NEXTは、改善のスコープを決めるのが良い。TPI NEXTを皆で輪読して、やってもいいし、リーダーが指摘しても良い。ただ、輪読はしやすいとのこと
  3. テストプロセスを改善すると利益はあがる?
    • 上がると信じてプロセス改善に取り組めばよい。きっと上がるよ(笑)
    • 開発プロセスとセットで改善することが大切。気になるのは、開発プロセスの理論は、10~15年単位でパラダイムシフトが発生しているのに、テストプロセスに関しては1970年代と変わっていないこと。だからこそ、TPI NEXTに取り組むことは意味があるといえる
    • テストは改善しないとコストがどんどんかかる分野だから、プロセス改善をしないとコストが下がらないし、むしろ上がっていく
  4. その他
    • TPI next は、プロダクト単位なのか、課とかの組織でみるのか、それは自由。弱点をみたい単位で、当てはめてみるのが良い