TPI NEXTについて学ぶ(2)
概要
- TPI NEXTについて、以下の参考文献を要約することで学ぼうという趣旨です。
今回の対象
- 2 テスト作業とTPI NEXTの位置づけ ~ 2.1 テスト作業のスコープと価値 p9-14
感想
- "テスト作業によってビジネス上で想定される損害が軽減できれば、テスト作業のコストはプロダクトリスクに対する保険掛け金とみなすことができる"という考えかたが新鮮だった。
- 経営層が、保険掛け金算定のもとになるプロダクトリスクの見積もりは難しいだろうし、そのリスクに対する掛け金の見積もりも難しいことから、それに対してテストチームから提供できる材料(レポートなど)は何か?は常に考えて仕事に取り組まないといけないなと感じた
要約
- テスト作業の定義は、「品質とそれに関連するリスクの実態を把握して、助言を提供するプロセスのことである
- テスト作業は、
- ビジネスゴールに沿っていなければならない
- Sftware Development Life Cycle(ソフトウェア開発ライフサイクル)の一部である
- 許容できる事案とコストの中で「適切な」欠陥を検出し、満足のいく助言を提供するように構造化された、コントロール可能なプロセスでなければならない
- 将来の課題にに対しても準備を整えておくべきものである。将来の課題とは、例えば新しい技術の出現、情報システムの複雑化、市場投入期間の短縮などである
- その考え方を一言で言ったものがBDTPI(Business Driven TPI)である
- TPI NEXTのモデルであるBDTPIは、組織のビジネス主導要因によってテラーリングすることができるツールである
- テスト作業を、もっとも低コストな品質対策と考えてはいけない
- なぜなら、開発プロセスの後半に位置するため、バグの修正コストは飛躍的に高くなるからである
- 予防が是正(テスト作業)よりも優れた措置であり、かつ予防のほうがコストもかからないことを忘れてはならない
- テスト作業の難しさは、
- 時間やコストに制約があるから全てをテストすることが不可能であること
- 一方で「これで大丈夫だ」と言わなくてはならない点である
- テストチームは、割り当てられた要件や関連するプロダクトリスクをもとに、もっとも重大なエラーをできる限り早い段階で、かつもっとも効率的な方法で見つけなければならない
- テスト作業によってビジネス上で想定される損害が軽減できれば、テスト作業のコストはプロダクトリスクに対する保険掛け金とみなすことができる
- したがって、テスト作業に割り当てられるコストの金額はプロダクトリスクによって変わる。
- そのプロダクトが、組織、あるいは社会、個人の健康や生活にきわめて重要であれば、テストプロセスにそれを反映させなければならない
参考文献
- 実践ソフトウェアテスト考現学,大西建児,2009/08/27
- TPI NEXT? ビジネス主導のテストプロセス改善,薮田和夫、湯本剛、皆川義孝 (著)